「Ten Titans」がS&P 500の38%占有—市場構造の偏りに要注意

米S&P500指数に占める時価総額上位10社、いわゆる「Ten Titans」(Nvidia、Microsoft、Apple、Amazon、Alphabet、Meta Platforms、Broadcom、Tesla、Oracle、Netflix)の合計比率が、現在なんと38%に上昇しています。これは、S&P500全体の約4割をわずか10社が占めていることを示し、指数のパフォーマンスがこれら巨大企業に大きく依存している構造を浮き彫りにしています。

この「トップヘビー」構造には恩恵もあります。過去に同様の集中が見られたときは、指数の値上がりを強力に押し上げた実績があり、今回もその恩恵を享受している投資家は多いでしょう。しかし一方で、これら企業が業績面で足を引っ張る事態になれば、指数全体が大きく振れるリスクも内包しています 。

特にS&P500指数と均等加重指数(Equal Weight Index)を比較すると、前者がTen Titansによって上昇しやすい一方で、後者は分散性が高く、別のリスク管理の選択肢となる可能性があります。

個人投資家としてこの報を受け、自分の投資行動をメタ認知的に振り返ると、以下の点が特に気になります。

まず、S&P500の約38%をトップ10銘柄が占める現状は、指数の魅力的なリターンの裏側に、偏った依存構造が潜んでいると考えます。確かに、長期的に利益をもたらす可能性は高いですが、仮にAIやテック関連のセンチメントが崩れた場合、指数全体が急落する懸念は捨てきれません。

そのため、私は「今のうちに、指数の恩恵を享受しつつも、分散の備えを整える」というバランスを意識しています。具体的には、S&P500連動ファンドに加えて、バリュー志向やディフェンシブなセクター(例:公益・ヘルスケア)に強いETFや個別株をポートフォリオに組み入れることが一案かと思います。また、Equal‑Weight型のETFも 分散に有効な選択肢として、検討する価値があると感じます。

もちろん、市場は常に変化しうるため、100%確実な策は存在しませんが、こうした構造的偏りを俯瞰し、リスクを意識した配分を取る姿勢は、個人投資家として持続的に重要だと思います。

出典:Motley Fool「The ‘Ten Titans’ Stocks Now Make Up 38% of the S&P 500」(2025年8月24日)