「市場は“粘り強いインフレ”でも利下げ期待を捨てていない」
米国商務省による2025年7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇となり予想に一致した。食品・エネルギーを除くコアPCEは月間0.3%の上昇、前年比2.9%と前月から横ばいとなった。これらの数字は、FRB(米連邦準備制度理事会)が目標とする2%インフレを依然上回っているが市場の反応は落ち着いており、S&P500先物は下げ幅を縮小、長期金利はやや上昇、ドル指数も堅調に推移した。アナリストは、CPIやPPIの今後の動向が安定的であれば、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25ポイントの利下げが見込まれると指摘。一部には、インフレトレンドの安定を背景に、年後半に追加利下げの可能性があるとする見方もある。
本報告書から読み取れるのは、インフレ率が目標を上回る粘り強さにもかかわらず、市場はFRBの利下げをまだ織り込みつつある点です。これに対して以前私は市場に割安感があると感じており、特に米国債やインフレ敏感なセクター(住宅、不動産関連など)に対して、長期的視点での買いを検討したいと思います。
ただ、コアPCEが再び上昇を見せれば、FRBの利下げスタンスに揺らぎが出る可能性もあります。従って、9月のFOMC声明やCPI・PPIの市場反応を注視しつつ、段階的にポジションを構築する戦略が望ましいと思います。市場が「インフレ許容度の高まり」を引き続き志向するなら、米株式やドル高も視野に入れたいですし、逆にインフレ圧力が再燃する兆候が見られれば追加的な防衛策としてヘッジを検討してゆこうと考えています。
出典元
- Publisher: Reuters
- Date: 2025年8月29日
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中心的なワードと説明・Wikipediaリンク
- PCE(Personal Consumption Expenditures):米国の消費支出物価指数。FRBが重視するインフレ指標で、コアPCEは食品・エネルギーを除く。
https://en.wikipedia.org/wiki/Personal_consumption_expenditures_price_index
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