ドル急反落も足場固め:更なる利下げ期待で下落続く可能性

「ポーウェルのハト派サプライズ後、9月利下げ確率86%に上昇」

米連邦準備制度理事会(FRB)議長ジェローム・パウエルのハト派的発言を受けて、米ドルは急落後に落ち着きを取り戻しました。9月のFOMCで25ベーシスポイントの利下げ確率は、従前の約70%から86%へ急上昇しました。これによりドルは、ユーロに対して0.18%下落し1.1699ドルとなり、ドル指数は僅かに上昇したものの、年初来で9.5%超の下落が継続しています。アナリストは、米国の景気減速と財政懸念を背景に、ドルへの下押し圧力が続く可能性を指摘、一部はユーロの年内1.20-1.22ドルへの強含みを予想しています。また、ユーロ圏および米国の国債利回りも、ドイツの景気改善やFRBの利下げ期待を受けて上昇しました。中国元は1カ月ぶり高値をつけ、仮想通貨はビットコイン・イーサリアムともに調整。さらに、トランプ氏のFRBへの政治的圧力が継続する中、市場では中央銀行の独立性への懸念も高まっています(出典:Reuters, August 25, 2025)

このドルの軟化は、FRBに対する政策期待マインドが一段とハト派に傾いた結果と受け止められます。個人投資家としては、ドル安・ユーロ高シナリオを一つの前提として構え、過度な安心感を避けつつポートフォリオを調整したいところです。

  • 行動案:ユーロ建て資産への部分シフト。例えば、ユーロ連動ETF(例:FXE,EU,EUFX,ULE)への少額投資を検討し、底値圏のドル安優位局面を活用。
  • リスクヘッジ案:短期ドル資産の一部残し。仮にFRBが予想外にタカ派に振れた際の逆風に備える形で、ドル資産も一定保持。

ドル安=安心材料である一方、市場が安心しすぎた時ほど政策変更がサプライズになるリスクがあります。だからこそ、「安心できる局面でも備えを緩めない」姿勢が必要です。FRB議事内容の確認、経済指標発表時のボラティリティへの備えも忘れずにしたいです。

出展元

出典元(英文・掲載日):Reuters, “Dollar stabilises after slump on Powell’s dovish surprise”, August 25, 2025.

出典元記事のリンク
https://www.reuters.com/world/africa/dollaro-si-stabilizza-dopo-sorpresa-dovish-powell-2025-08-25/

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