「インフレは止まらないが、弱さに着目しFRBが歩みを緩める可能性」
Axiosによれば、米FRB(連邦準備制度理事会)は景気や雇用の鈍化を注視しながら、インフレが安定しているにも関わらず利下げに向けて徐々に歩みを進める構えを見せている。特に、除く食品・エネルギーのコアPCEは前年比で2.9%と上昇を続けた一方、消費動向や雇用情勢が鈍化していることが、利下げ支持派の背景となっている。FRB理事のクリストファー・ウォーラーは、2025年の経済活動が2024年に比べて明らかに鈍くなっているとして、7月会合において利下げ支持を表明したとのことだ。
この報道は、インフレ指標は高止まりしていても、経済の“見えない弱さ”にFRBが注目し始めていることを示唆していると思います。私は、「利下げのタイミングは以前ほど遠くはない」と考えており、これは利回り商品や債券、特にTIPS(物価連動国債)にとって潜在的に追い風と捉えられます。具体的には、たとえば米10年債(ティッカー:IEF)や、PCEとの連動性の高いiShares TIPS ETF(ティッカー:TIP)を慎重に観察し、利下げが現実味を帯びたと判断すれば、小刻みに買い増す戦略が有力だと考えます。
とはいえ、インフレが再燃する可能性を完全には排除できません。特にコアPCEが再び上昇に転じた場合、FRBが利下げに慎重になるリスクもあります。この点では、ヘッジ的に短期米国債ETF(ティッカー:SHYなど)や逆相関ETF(TBF,TBT,TMV)を一部組み込んでおくのも、バランスを取る有効な手法だと考えます。
市場のセンチメントとしては、9月FOMCにかけてマーケットは「緩やかな利下げ」を既に織り込んでいるため、政策発表前後のボラティリティはむしろ仕込みのチャンスになり得ます。私自身も、段階的かつタイミングを見極めながら、上記のETFを中心にポジションを整えたいと考えています。
出典元
- Publisher: Axios
- Date: 2025年8月29日
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中心的なワードと説明・Wikipediaリンク
- PCE(Personal Consumption Expenditures):米国の消費支出物価指数。FRBが重視するインフレ指標で、コアPCEは食品・エネルギーを除く。
→ https://en.wikipedia.org/wiki/Personal_consumption_expenditures_price_index - TIPS(Treasury Inflation‑Protected Securities):インフレに連動する米国財務省発行の債券。
→ https://en.wikipedia.org/wiki/Treasury_Inflation-Protected_Security
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